Kokeshi craftsmen interview こけし工人インタビュー | KOYAMA, Yoshimi 小山芳美 | Togatta style 遠刈田系

こけし職人インタビュー こけし職人インタビュー | KOYAMA, Yoshimi 小山芳美 |遠刈田系 遠刈田系

こけし職人たちに、どのようにしてこの技術を始めたのか、そしてどのようにこの技術を習得したのかについてインタビューしました。

こけしは、周囲の環境や作り手の性格などに影響され、暗黙のルールのもとで作られてきた独特な人形です。
彼らから聞いた情報をいくつかシェアしたいと思います。

ぜひお楽しみください。

ユニークで、東北の風土と作り手と勝手に人々に育まれてきたこけし。こけし職人さん達にサーブされたお話をご紹介していきたいと思います。お楽しみいただけましたら幸いです。

小山好美(遠刈田流こけし職人)

彼女は1981年に東北の隣の新潟県に生まれました。(東北はこけしの産地です。)

会社員時代にはこけしのコレクターとして活動していたそうで、温泉地を巡り、こけしを買ったり、時にはこけし職人を訪ねたりしていたそうです。

そんな時、蔵王市遠刈田のこけし職人育成プログラムを見つけ、友人から「自分でこけしを作ってみたらどう?」と誘われた。そこで2016年にプログラムへの参加を決意。その後、2018年に平間勝治氏(1941年-)に弟子入り。2019年からは、自身の銘を持つこけし作りをスタートさせた。

Q: こけし職人になる前は、こけしのコレクションはどのようなものでしたか?
Y(小山善美) :初めて買ったこけしが創作こけしだったので、創作こけしを買ったのがきっかけだったと思います。それから色々なこけしを集めて、本を見つけて種類を調べたりして、こけしの世界にどっぷりハマっていきました。

Q: 遠刈田流こけしの弟子入りには期間が決まっているのでしょうか?どのくらいの期間だったのでしょうか?
Y :育成研修生だったので2年半ほど勉強させていただき、その後、平間勝治先生に弟子入りしました。

師匠からお墨付きをもらったとき、私は一人前のこけし職人になったと思いました。 

Q: 師匠の言葉で覚えているものはありますか?
Y : 実は、私の師匠は口数の少ない方なんですが、「良いこけしを作れば良い職人になれるよ」とおっしゃっていたのを覚えています。

大量の人形を早く取引すれば何かが明らかになるという意味だと解釈しています。

Q: オンラインインタビュー動画で、絵付けの模様は伝統的な遠刈田様式をベースに作りたいと仰っていましたが、遠刈田様式のこけしとはどのようなものだと思いますか?
Y : 伝統こけしは、シンプルで無駄のない美しさがあると思います。色数が少ないのに、華やかに描かれています。模様も体型に沿っていて、洗練されています。(伝統こけしは、赤、緑、黒、そして黄色や紫などの色で描かれることが多いです。)

こけしは長い歴史の中で、伝統的に速く作られてきました。それが伝統こけしの美しさだと思います。

大量の人形を素早く作る技術を上達させたら、師匠の言葉もクリアになるのかな?

例えば、顔料ではなく水彩染料だけを使っています。木に色が染み込むと、木本来の雰囲気が出てくるような気がします。
こけし職人さん曰く、木目をうまく残すことでこけしに空間が生まれるそうです。

それもシンプルな美しさの一つだと思います。だから、あまり塗りすぎないように気をつけています。 

Q: 遠刈田こけし職人を自称するということはどういう意味ですか?
Y : 遠刈田のこけし職人を自認していますが、技術が思うように上達していません。こけしを作っているのに、作品に違和感を感じています。理想としては、もっと大きさや形が均一になるように作りたいのですが、まだ実現できていません。

ということで、今の目標は「早く大量に作れるように技術を磨く」こと。こけし作りを始めて8年経ったので、以前より深くこけし作りについて考えられるようになったかな?

私たちが話している間、彼女は時々、遠刈田こけしに何か違う違和感を感じると言っていました。

それは、彼女のこけしが少し変化していくことを意味するのか、それとも創作意欲がさらに深まることを意味するのか。今後、彼女が「遠刈田こけし」としてどんな作品を見せてくれるのか、とても楽しみです。

「こけしの上の空間」について。
絵画、庭園、茶道、舞台など、日本の伝統芸術においては「間」が重視されています。例えば絵画において「間」とは、絵画における空気や雰囲気のことです。画家はモチーフを描くことで空気を描きます。つまり、画家はモチーフと対象を取り巻く空気を描き分けたのです。画家が成功すれば、鑑賞者は絵画の中に空間の奥深さを感じることができます。「間」という概念は、現代においても私たちの心に深く根付いています。

YouTube
https://youtu.be/4Ue6Mj85His

Q: 職人になる前のコレクションは、どのくらいでわかりますか?
小山(以下Y):一番最初のこけしは創作こけしだったと思いますが、幅広く集めていました。

Q: 遠刈田こけしの期間修行などは決まっているので募集しますか?
Y : 私は育成事業だったので期間が決まってました。 一人前になるのは師匠からのOKが出たら、という感じでした。

Q : こけしを作る上で、師匠から言われた言葉はありますか?
Y :師匠は特に言葉では言わないけど、「いいものをたくさん作ったらいい職人になれる」という言葉を覚えています。 数をこなして見えるようになるように、来る物があるのか​​な、と解釈しています。

Q :以前小山さんがインタビューを受けていた動画を拝見して、「伝統こけしに基づいた絵柄を作っていきたい」と評価してましたが、小山さんにとっての遠刈田伝統こけしはどんなものですか?
Y :伝統こけしは、無駄なものがなくて簡略的な美しさがあると思います。色数がなくても華やかなのが伝統こけしで、こけしの形に添って図柄があって、完成されている、いうが私の伝統こけしです。

素早い時間でたくさんできる伝統こけしは、作られてきた時間の中で要素を決めて抜いて残ったものの中に美しさがあるのだと思います。 それで、こけしを作る数をこなして出来るようになると、見えるものがあるのか​​な、と思います。

例えば私は、絵付けをする時に顔料は使わずに染料だけを使っていますが、色が木地に染みこむと木の感じが透けて出てくるようです。

ある職人さんは「いい感じに木目を残すことがこけしに余白を残す感じになる」と言ってます。 危事もこけしの簡素な美しさにつながるな、と思います。

Q: 「遠刈田こけし工人」を言うことはどんな感じですか?
Y : 遠刈田こけし職人は言ってますが、私の中ではまだ遠くて、こけしを作っても自分のこけしに違和感を感じることが多いです。

なので、まずは数をこなせるようになりたいと思います。こけしを作り始めてから8年になるので少し余裕も出てきて、そんな気持ちが見えてきた頃なのでよろしくお願いします(笑)

 

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